新着情報2022年

【実物実習】富山市指定文化財「竹島家住宅 主屋」保存修理(富山市)

5月より2年建築コース(建築大工)の実物実習で「竹島家住宅 主屋」保存修理(富山市)を進めています。
「竹島家住宅」は、富山市中心市街地の北部、JR富山駅より北へ約2Kmに位置し、元和4(1618)年から明治の廃藩置県まで十代にわたって富山藩の十村役を務めた旧家。本学院では、継続的に「竹島家」に関わらせていただき、これまで「主屋」の一部、「長屋門」、「中塀」、「御成門」などの修復を行ってきました。

 ○富山市指定文化財「竹島家住宅 道具蔵」修復

主屋の主要部は、明治29年頃の建築で、大正から昭和頃に座敷部分、昭和17年に二階部分の増改築が行われている。建物は「居室棟」と「座敷棟」が前後にややずれる形で建ち、ともに切妻造り、桟瓦葺きの屋根となっています。

富山市指定文化財 「竹島家住宅 主屋」

破損状況の調査により、経年による基礎、足元廻りの不同沈下による床板の不陸、後補による新建材(床等)の使用、内壁(漆喰壁等)の亀裂、剥落、当初、巾広の竪板張りであった外壁の後補の改変、腐朽等による垂木屋根面の不陸などが見られました。実習では、床組みの解体・補修取替え、縁側部柱の部分的揚屋を行いました。

座敷棟 床板等解体
床組(大引・根太・床束等)取替え材 新材加工
床組 補修取替え・組立て
縁柱礎石揚屋(ジャッキアップ) 柱・土台沈下部分揚屋
床組補修・床張り完了 縁柱礎石揚屋等完了