学院概要教育の基本理念

 職藝学院は、伝統によって培われてきた職人の技を意味する「職」と、用の美とその芸術性を追求する職人のこころを意味する「藝」とを結んだ「職藝」を建学の理念とし、「際」を心得た21世紀にふさわしい建築づくり・環境づくりに携わる職藝人を育てることを目指しています。
 21世紀にふさわしい新しい感覚と伝統技能を統合し継承する「職藝人」の高度な技と洗練された美意識から本当の豊かさが生まれてくると私たちは考えます。

シンボルマーク

 このマークは「結ぶ」をコンセプトとして作成されています。結び目を視覚化した中に、日本の伝統と人間の手の温もりを表す筆のタッチを取り入れました。
 「結ぶ」は手作業や手仕事を代名するキーワードであると同時に、次に挙げるような「人と人を結ぶ」「人とモノを結ぶ」などという要素を併せ持っています。

  • 技を意味する「職」と、こころを意味する「藝」を結ぶ。
  • 職人とデザイナーの技術・芸術的センスを結ぶ。
  • 作り手と使い手を結ぶ。
  • 伝統の技と現代工芸を結ぶ。
  • 環境と建築を結ぶ。

職藝人として大切にしたいことば

『不易流行・温故知新』

 前者は、芭蕉の俳諧理念の一つとして、後者は「論語」の中の孔子のことばとして広く知られていますが、これらは職藝の世界にも通じます。
 過去の事実を研究、吟味して、そこから新しい知識や見解を得る(温故知新)。さらに、独自の新しい創造に向かうとき、単に古人の足跡をなぞるのではなく、古人が到達した心と技法を同時に求めて行くならば、その極みにおいて、新しさ(流行)は永遠性(不易)に通ずることになります。
 新しさと永遠性、すなわち流行と不易は根本において不可分なものであるといえます。職藝学院が目指す新しい時代の職人の心がここに凝縮されています。

『いかなる人生、いかなる行い、いかなる芸術にも、先立つべきは手仕事である。』

 ドイツの家具マイスター、ヨハネス・シュトゥーテ(本学院特別講師)が、講演で引用したゲーテのことばで、「手仕事」の高い評価について述べています(村上公子氏訳)。
  地球資源の有限性がはっきりしてきた今日、機械やコンピュータに際限なく依存することはせず、まず手仕事を大事にしたい。とかく忘れがちな人間の行動限界を見直す視点となることばです。