新着情報2014年

人と土の日-秋 (内山邸土蔵「柳原文庫」荒壁塗)

9月12日、学生と教職員で土や自然と触れ合い、人の原点について考える行事「人と土の日」を行いました。
今回は、豪農の館 内山邸(富山県民会館分館)の土蔵「柳原文庫」にて、伝統左官工法である「荒壁塗」を実施しました。古壁土と新しい粘土を混ぜて藁スサを入れ、3ヶ月程度職藝学院で何度も練り返した「荒壁土」を運び、直接手で平らにしながら、丁寧に塗り込みました。
学生らにとっても、近年では実施されることの少ない手間を要する湿式工法「荒壁塗」を体験できる貴重な機会となりました。 

内山邸(富山県民会館分館)は、国登録有形文化財に指定されている江戸時代の豪農屋敷。邸内の「柳原文庫」は、1898(明治31)年に建てられた土蔵造りの2階建ての書庫で、1960(昭和35)年頃、市外へ移築されました。

本学院上野幸夫教授の調査(写真や古文書など)より、切妻造りの黒漆喰仕上げ、出入口と窓は両開き扉であったことが判明し、それをもとに設計、邸内での復元(実習)を実施。一昨年度より建築大工コースの学生が校内での部材加工、仮組み、昨年度は現場にて軸部建方を、またその後、環境職藝科の学生を中心に竹を縄で格子状に編む伝統工法の「小舞掻き(こまいかき)」による土蔵の壁下地作りに取り組みました。
今後は、壁を塗っては乾かしを繰り返し、黒漆喰で仕上げる予定です。

※併せて、what’s new(豪農の館 内山邸土蔵「柳原文庫」復元 建方実習
豪農の館 内山邸土蔵「柳原文庫」土壁下地 小舞掻き実習
の記事をご覧下さい。

上野教授より「荒壁塗」についての説明 学院で作り寝かせた土を一輪車で運ぶ
グループに分かれて「荒壁塗」を実施
「荒壁塗」の様子。手で土を平らにしながら塗り込みます
「荒壁塗」後の記念撮影