新着情報2013年

山小屋「立山室堂」(国指定重要文化財)修繕実習

10月17・18日の両日、建築職藝科建築大工コースの学生が、立山町芦峅寺の山小屋「立山室堂」(国指定重要文化財)の維持修繕実習を行いました。
「立山室堂」は、江戸期から文献に存在が記され、現存する中で日本最古、最高所(2,450m)の山小屋とされています。今回、本学院の「地域のお役にたてる実物実践教育」の一環として、初めて重要文化財の修繕に取り組みました。

<立山室堂について>
古くは、立山信仰の聖地として、登拝者や修験者の宿坊兼籠り堂などに使用され、その後立山登山客の山小屋として利用。昭和61年に室堂の存在意義と価値が認められ県の文化財に指定。次いで、平成4年からは3ヵ年事業で解体修理が行われ、往時を偲ぶ姿に復元され、平成7年に国の重要文化財に指定。
平面は、梁間4間(約7.3m)、桁行5間(約9.1m)で、縦横1間(約1.8m)ごとに全て柱を立てる「総柱建て」。外観は、9寸(約27cm)角の太い柱が1間(約1.8m)間隔に立ち並び、縦板張り目板打ちの板壁仕上げ、内部は天井が無く小屋組みまで見せた吹き抜けで、9寸(約27cm)角の太い柱が縦横1間(約1.8m)間隔に林立し、棟持柱等による軸部と小屋組みを一体的に組み上げる極めて強固で頑丈な、他に類を見ない特異な構造となっている。

実習では、本学院上野幸夫教授指導のもと、雨風の侵入を防ぐため、壁板や屋根板の締め直しや隙間が生じた箇所の埋木(木材を埋め込む)などの処置を施しました。
両日、天候にも恵まれ、学生にとって過酷な自然環境に残る小屋の修繕に携わる貴重な体験となりました。

壁板の締め直し・埋木
小屋内部修繕(締め直し・埋木)
実習後の記念撮影 立山室堂の夕暮れ(雲海)
立山室堂の風景