新着情報2021年

【実物実習】「鵜坂神社吊殿」改築(富山市)

11月下旬、本学院の実物実習で進めていた「鵜坂神社吊殿」改築(富山市)を終え、現地で竣工祭が行われ、氏子ら約20人の参加があり完成を祝いました。
今回、昭和40年代に建てられた旧吊殿の柱や壁がシロアリの被害を受けていたことから、職藝学院の実物実習として改築の依頼を受けました。
本学院の「地域のお役にたてる」実践教育として、上野幸夫教授監修、宮本マイスター(建築職藝科)指導のもと、今年5月より1・2年建築職藝科(建築コース・建具コース)学生が実習で解体工事、基礎工事、木工事(部材墨付、加工、現場建方)に取り組みました。
「吊殿」は、木造平屋建て、総ヒノキ造りで、周囲の社殿に調和した外壁(漆喰塗、下見板張り)や軒の深い反りの付いた屋根としています。また、柱や梁、桁や垂木等の部材は角張らない柔らかさと強度を保ちながら細く見せる「大面取り」や木と木が組み合う仕口や継手は高度な技術を用いています。
学生たちが手間隙(てまひま)と愛情をこめて、半永久的に残る喜びを感じながら日々の実習で精進し、完成させました。

竣 工 改築前
<解体実習>
屋根・外壁解体 軸部屋根解体
<校内実習(部材加工)>
曲線となる舟肘木・反り増し化粧垂木加工 柱・虹梁等構造材加工
長押・茅負等加工 柱等加工
<建方実習>
軸部組立て
棟木組立て 化粧小舞取付け
化粧屋根組立て 外壁壁下地・下見板取付け
<建具実習>
窓吹寄せ格子組立て 向拝前吹寄せ菱格子戸 建付調整
<竣工>
竣工(内観) 竣工(外観)