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アメリカコロンビア大学院教授Joseph Vidich さんJoshua Draperさん伝統的木工技術視察

09/12/26 UP

 去る12月11日、アメリカのコロンビア大学大学院のGASPP(Graduate School of Architecture, Planning and Presavation)のAvery Digital Fabrication Labから、Joseph Vidich 教授とJoshua Draper教授が来校されました。
 お二人は、デジタル ファブリケーション(BIMやアルゴリズミックデザインと似た概念で、モノ作りの一連の過程をデジタルで行うこと)の手法で、図面では表現しにくい立体的な曲線や複雑な3次元形状を持つ建築をコンピューターでデザインされる専門家とのことです。今回は、日本の伝統的な木組みの技、素材、そして学院が伝統の技をどのように学生に継承しようとしているのか等を調査するために、実習風景を視察されました。お二人は、進級制作中の大工コース1年の工房、建具工房、家具工房、環境職藝科造園コースモデル庭園、木造完全リサイクル住宅等を見学しました。
 Joshuaさんによりますと、コンピューターで3次元形状をデザインする際に大切なことは、質の高い日本の木造建築技術の工法に立ち返り、職人が手仕事で引き継いできた技術とデジタルとの融合により新しい建築デザインを生み出したいとのことでした。アメリカで最先端の技術で3次元的な建築デザインを目指していらっしゃるお二人にもかかわらず、日本の伝統技法、職人の哲学、日本の文化に敬意を表し本学院を訪れてくださいました。
 また、学院の特徴的な教育プログラムである、「建築のわかる庭師、庭のわかる大工」について、「家づくり、庭づくりは二つで一つであるという考え方から、お互いの分野を理解し技術を学ぶ環境がつくられているということは、世界的にも例のない取り組みである」と深く感動されていました。今後のお二人の研究を本学院も応援していくことをお約束し半日の視察を終えました。

木造軸組み工法模型の前にて。左からJoseph Vidich 教授、通訳を担当した渡邉美保子教授、島崎英雄棟梁、Joshua Draper教授。
大工コース1年の工房で、木組み模型の構造の説明をする島崎棟梁。
自分の道具箱を作成中の研究科の堀君の作業内容について説明中の家具コースの柿谷マイスター(中央)

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